にっこり私に笑いかけて



「伊織と伊音がいつもお世話になっております」



軽く頭を下げる



私も慌てて頭を下げる



「初めまして。島本空羽です
こちらこそ、いつもお世話になっております」



私は顔を上げ伊織くんに



「妹さんがいるんだね」



そう訊くと



伊織くんも茜音さんも
一瞬とても目を丸くして



「……ぶはっ」



茜音さんが噴き出して笑った



…………え?



はぁ~って
眉をしかめて伊織くんは深くため息をついてから




「この人、新堂茜音(シンドウアカネ)伊音の母親です」



…………え……えぇっ!?



茜音さんはクックックッと肩を震わせてお腹を抱えて



「そう。私は伊織と伊音の母親です」



うそだっ!



だって……私と全然、歳が変わらないように見える




すっかり言葉をなくした私を
茜音さんはいつまでも面白そうに見つめていた




< 115 / 394 >

この作品をシェア

pagetop