空
どのくらいの時間
私は震え、あの日に戻っていたのだろう
「……ごめん、てっちゃん」
てっちゃんの胸から顔を上げようとするけど
てっちゃんは腕の力を緩めずに
私をきつく抱いたまま
「風羽。もう、あの男に会うな」
「…………え?」
「空羽の好きだった男なんて
やっぱりダメだ。
空羽が怒るとか
そんな問題じゃない
風羽が空羽の事を………
きちんと消化出来ない限り
空羽に関する事に近づくべきじゃない」
………てっちゃん
「今夜はオレもうどこにも行かねぇで風羽のそばにいるから」
くしゃくしゃっ………
乱暴に私の頭をなでて
「腹減ったな。晩飯、何にしようか?」
立ち上がり部屋の電気をつけて
キッチンで冷蔵庫を開けて
「炒飯でも作ってやるか?」
何事もなかったかのように
私に優しく笑いかけた