空
……ドキドキドキドキ…
「わ…私と空羽の違いって何ですか?」
一番、気になってた
なんで空羽と私が違うってわかったのか
どうして空羽ではなく
私が好きだと言えるのか……
「……そうだな」
少し考えるようにあごに手を添えてから
「例えるなら、空羽ちゃんは晴れで君は雨って感じかな?」
………それって
「空羽より私が暗いって事?」
いや、当たってるよ伊織くん
空羽の明るさは世界一だと思う
空羽に比べたら私は内気だった
「暗いとかじゃないよ」
少し困ったように伊織くんは笑って
「だから、うまく言えないんだ。ただ、オレは雨の日がすごく好きだよ」
伊織くんの例えは
よくわからないけど
首を傾げる私を
一瞬、鋭い瞳で見つめてから
「君が一瞬 見せる 寂しげな瞳が安心するんだ」
伊織くんは小さな低い声だった
………え?
「大切な妹を亡くしたばかりだったんだ。……だから、寂しげな瞳をしたんだね」
紅茶に少し口を付けてから
伊織くんは優しく微笑んだ