初めて来る伊織くんの部屋



玄関で靴を脱ぎ、壁のスイッチに触れ、電気をつける彼の背中を見てから



私もスニーカーを脱ぐ



しゃがんで靴を揃えると



伊織くんの大きな靴の隣に
私の靴



なんだか少し感動して
しばらく並んだ靴を見つめてた




「風羽ちゃん?」



そんな私を不思議そうに伊織くんが見る


「あっ、お邪魔します」



キッチンを通り抜けて



部屋に入る



1Rのお部屋



てっちゃんの部屋みたいに


雑誌や脱ぎ捨てられた服が散乱してる事がない



ちゃんと片付けられた部屋だった




10畳ほどの広さに

ベッド、テーブル、TV、オーディオ………


「適当に座ってて」


私の横を通りすぎ、伊織くんはキッチンに行って



冷蔵庫をのぞいた



私はテーブルの前、絨毯に正座する




緊張して
手のひらには汗をかいていた




< 174 / 394 >

この作品をシェア

pagetop