電気を消して


二人並んでベッドの中



うわ~
伊織くんの匂いする


いつも つけてる香水と
少しのタバコの匂い


あ、今日は我慢してるのかな
タバコ



気を遣わせちゃったなぁ…



いろいろ考えてたら


「……ふっ」って伊織くんの笑い声がした



「伊織くん?」



「ああ、ごめん。何でもない」



「え?なぁに?」


何で笑ったの?



うん。と 伊織くんは呟いて



「同じシャンプーの匂いだなぁって思ったんだ」



同じシャンプーの匂い



「当たり前だよな。さっき、シャワーしたんだから」



彼の一言が笑顔が

こんなにも私を幸せにする



胸が締め付けられるような


甘く甘いドキドキ



「おやすみ。風羽ちゃん」



暗闇に優しく聴こえる
伊織くんの『おやすみ』



「おやすみなさい」


そう言うと


また泣けて きそうだ



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