空
真夜中の急な誘いにも関わらず
伊織くんは家に来てくれた
「お邪魔します」
玄関で靴を脱ぐ伊織くんに
「ごめんね、急に………
疲れてるでしょ?」
伊織くんは首を横に振って
「いや、大丈夫。風羽ちゃんの家に来れて嬉しいよ」
にっこり笑ってくれた
ズキュ―――――ン
伊織くんのスマイルに
胸が撃ち抜かれる私
玄関で
微笑み合う私たちに………
「いらっしゃ~い伊織くん」
ガバッと
てっちゃんは
後ろから私に抱き着いて
「すみませんね、急に誘って」
ちょっ………
何で私を抱きしめるのっ!?
しかも伊織くんの前でっ
「てっちゃん!やめてよ」
両手でてっちゃんの腕をほどく
「なんだよ。いつもの事だろ?」
てっちゃんは笑って私の頭をぐしゃぐしゃ撫でた
なんなのっ?
伊織くんの前で…………
チラッと
伊織くんを見ると
伊織くんは私の視線に気がついて
普通に笑って
「本当に仲が良いんだな」
そう言った