空
空羽らしい前向きな言葉だなぁ
「私は別に余命を宣告されてるわけじゃないけど」
空羽の話に私はただ黙って
自分の つま先を見つめてた
「他人よりは死について……
ううん、命についてリアルに感じる」
「空羽………」
「薬を飲まなかったら
制限を守らなかったら
体調を崩したら………って」
空羽の心臓の事を思うと辛い
双子なのに どうして空羽だけ苦しみ
私は 空羽に何もしてあげられない
「だから、いつでも今を後悔したくないって思ってた。明日よりも今日が大切だった」
でもね、って空羽は笑って
「新堂さんを想うと明日がとても愛しいの……また新堂さんに逢いたいって想うと明日って素晴らしいなぁって感じる」
私は黙って隣にいる
空羽の手を握った
「明日また新堂さんに逢うために…私は今を生きてる」