空
そんな
がっついて欲しいのに
私は一気で いいのに……
ドキドキドキドキ
胸はまだ全然おさまらない
「風羽ちゃん。腕まくらしていい?」
腕まくら…………
「うん」
伸ばした伊織くんの腕に
そっと頭を乗せる
うわぁ~
すごく気持ちいいっ
でも頭って重いよね?
首に力を入れて
全部の重みが伊織くんにかからないようにした
ふっ……て
クスクス伊織くんが笑って
「大丈夫だよ。力抜いて
全部オレの腕に預けてよ」
あ……伊織くん気がついてた
「重いよ?」
「大丈夫だよ」
伊織くんの言葉に
力を抜いて全てを委ねると
ぎゅう…………
伊織くんが私を抱きしめる
きゅ~~~~んってして
身体が甘くしびれた
「………風羽ちゃん」
「なぁに?」
すごく長い間があいて
「……何でもない」
そう言った伊織くんの声は
なぜか悲しげに響いた