「電話、聞いてただろう?
伊音は弟じゃない。子供なんだよ」



苦しい


苦しい


うまく呼吸が出来ない



「オレずっと風羽ちゃんを騙してたんだ」




「だったら………

最後まで騙せばいいでしょうっ!

私はいいよ

本当の伊織くんなんて知らなくていい

ずっとこのまま………」



このまま



その先を言おうとして



涙が一気に溢れ出した



「このまま……そばに…いたい」



ポタポタ ポタポタ
涙がこぼれ落ちる




「そばに…いてほしいって…
伊織くん言ってくれたじゃない………」



伊織くんが



どんな ひどい人でもいい



優しくなくていい



嘘つきでいい



私のこと好きじゃなくていい




他の人を愛していてもいい





伊織くん



私は伊織くんが好きだよ




好きだよ すごく




どんな伊織くんでも



好きなんだよ………



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