空
「こんにちは」
私と新堂 伊織は見つめ合ったまま ケータイを通して挨拶をした
ふっ………て
少し笑ってから新堂さんはケータイをきった
私も空羽のケータイをバッグに閉まって
公園を出て
新堂さんの車の前に行った
「なんか少し久しぶりだね
空羽ちゃん」
少し首を傾げて新堂さんは笑った
「そう…ですね…」
今さら私は少し緊張したけど
今日一日私は空羽
「じゃあ行きましょうか」
新堂さんが助手席のドアを開けて
「どうぞ」
「ありがとうございます」
私は助手席に座った
これが 私と伊織くんの初めての出逢い
これから 私たちがどうなって行くかも知らずに
空羽のため
最初で最後のデートに出かけた