空
週に一度………
「知らなかった………」
私が呆然とリビングの入り口に立ち尽くして呟くと
「ここ最近は空羽の遺影をじっと見つめて一時間も離れない事があるのよ?
てっちゃん、何か悩み事でもあるんじゃないの?」
ほら座りなさい。とお母さんに促されて
ソファーに座ってお茶を飲んだ
「一緒に暮らしてるんだから
風羽も少しはてっちゃんに気を配ってあげなさいね」
曖昧に私がうなずくと
お母さんがじっと私を見つめて
「本当にてっちゃんとは……」
少し言いにくそうに間をおいて
「てっちゃんとは、ただの幼なじみってだけなの?」
お母さんの急な質問に
「ゴホッ……」
お茶が気管に入ってむせた
「ゴホッゴホッ……。
なにそれ、当たり前でしょ」
「だって、もう一緒に暮らしてだいぶ経つし………」
「てっちゃんと私はそんな関係にはなれないよ
姉弟みたいに育ったんだよ?
恋愛対象にはならない」
私がキッパリ言うと
「そう?お母さんはてっちゃんならいいわよ
優しいとても良い子だから」
お母さんは口元に笑みを浮かべて
ティーカップに口をつけた