「私、空羽に謝らなくちゃ…」



伊織くんのこと



そもそも伊織くんは空羽の…




「なんで風羽が私に謝るの?」



「だって、だって………」



私、空羽の好きな人を横取りしたんだよ


それに あの日 私が熱を出さなければ 空羽は………




たくさん たくさん思いが溢れて



どれから口にしたらいいんだろ



「空羽………」



空羽は私の気持ち全部 見透かしてるような顔して




「私は風羽

風羽は私

私たちは二人で一人だよ

風羽が謝ることなんて1つもない」



ポンポン
優しく私の肩を叩いて




空羽…………


空羽…………



「く~~~~~」



私の目からは滝のように涙が流れて



「もう泣かないの風羽
泣くよりもする事があるでしょ」



空羽が なだめるように言った




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