泣き続ける私に



ふわっと風を感じた



肩のあたりが温かく



誰かが寄り添ってくれてるみたいだった




「………空羽……?」



呟いても返事はなかったけど




空羽は きっと女を上げた私を
褒めているに違いない




頑張ったね風羽って


空羽は笑ってる












――――ガチャン



玄関から音がして




視線を上げると




玄関で てっちゃんが靴を脱いでた




壁の時計に目をやると



まだ4時35分




リビングに入って来て



泣き続ける私を見て



「うわっっ!
なんだよお前…………
お化けかと思った」

てっちゃんは
少し飛び跳ねて驚いた



お化けって失礼な




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