小さな子供がタイムカプセルを埋めるように



大切な伊織くんとの日々を



彼への愛情を



この湖を見つめながら埋めるんだ






てっちゃんは静かにうなずいて




「んじゃ、オレも便乗しちゃおうかなぁ………」



え?
てっちゃんにも 何かあるの?



ほい ほい 彼女 変えるくせに…




すぅ………っと

てっちゃんは息を大きく吸い込んだと思ったら




「空羽―――――っっ!
好きだったぞ――――っ!」



大きな声で叫んで



湖に響き渡り



驚いた小鳥たちが木から一斉にバサバサ~っと飛び立った




私が隣で 呆気にとられてると




「はぁ~、スッキリ」



胸に片手を当てて てっちゃんは ニッと笑った




< 340 / 394 >

この作品をシェア

pagetop