空
夜、待ち合わせた居酒屋で
周りが仕切られてる
1つ、1つの座席が個室になってる
アジアンテイストなお店
ビールで久しぶりの再会に乾杯すると
「風羽もとうとう結婚かぁ~」
嘆くように てっちゃんが言うから
クスクス笑って
「寂しいですか?」と訊くと
「まぁな」
てっちゃんは素直にうなずいた
「結婚相手は年上だっけ?」
てっちゃんは枝豆を食べながら
訊いた
「うん3つ上」
結構カッコいいよ?と私が笑うと
「あのさ………」
てっちゃんは急に真顔になって
黒目を左右に動かした
なんだろう?
「てっちゃん………?」
私が汗のかいたジョッキをテーブルに置くと
「言おうか言わないか
まだ迷ってる」
てっちゃんは目を伏せて
怖いくらい真剣な顔をした