家の前で伊織くんの車が止まると



辺りは もう 暗い




車を降りる前に



「ありがとうございました
今日はすごく楽しかったです」




伊織くんに言うと




じっと伊織くんは私を見つめた




「………なんですか……?」



私の言葉に伊織くんは




「今日の空羽ちゃんって
いつもと違う感じしたから」




ドキッ



うそ…………



私たちを見分けるなんて…



何年も付き合ってる友達だって間違えるし




お父さん、お母さんだって



見分けは つかない




それくらい 私と空羽は同じ容姿だし 嗜好だって似てるのに………





私が固まると



「オレ、今日の空羽ちゃん好きだよ」



伊織くんが笑った




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