空
なんの ために
なんの ために別れて………
真っ暗な海に突き落とされた
そんな気分になった
ずっと伊織くんは幸せに暮らしてると信じてたのに
「………どうする?風羽」
どうするって…………
「オレは本当は言わないつもりだった
伊織くんも言わないで欲しいって何度も念を押した
だけど、お前が結婚してから
何かの拍子に耳に入るかも知れない
そうだろう?
オレと伊織くんが偶然会ったみたいに
それなら、今、お前に教えるべきだと判断した
ま、正直、秘密にするには重たくてって事もあるけど」
てっちゃんはジョッキを掴んでビールを一気に飲み干した