新堂書店は確かに新しく大きくなって



見違えた




シャッターの降りた店を見上げてから



裏に回る



自宅の方は相変わらず古い木造住宅だった




ここに 伊織くんは独りで……




時間は11時を過ぎてた



だけど迷惑とか
そんなの言ってられない




震える指先でチャイムを鳴らした





ドクン、ドクン、ドクン………



何度 息を吸っても



酸素が足りない気がした



ドアが開くまでは



すごく長く感じた





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