空
空のオムツを替えながら
「空は大変だね
親バカなパパに
うるさいオジサンがいるもんね」
わかっているのか
わかっていないのか
眉をしかめて
空は唇をモゴモゴ動かした
「風羽ちゃ~ん
もう、いい?」
病室の戸口で
こちらをのぞく伊織くん
「つ~かさ、いつまで『風羽ちゃん』『伊織くん』なんだよ…」
てっちゃんが伊織くんをベッドロックして言う
「うるさいな
てっちゃんには関係ないだろ」
「男に『てっちゃん』呼ばれるの実際キモい」
なんだかんだ言って
仲がいいんだよね あの二人
「はい、はい。喧嘩しないでね」
あの青い空は いつでも
私たちを見守ってくれてる
見ててね
愛しい彼と 宝物
優しい人たちと一緒に
明日を夢見て
待ち遠しい未来を夢見て
生きて行くから
――End――