「元気だよ」



私の答えに



「ウソつき」



短くてっちゃんが言った



「あのさ、風羽」



「なぁに?」



「オレん家の親、転勤で道外行くんだ」


「え~?こんな中途半端な時期に?」



私が驚くと



「まぁ社会なんてそんなもんじゃん?」


他人事みたいにてっちゃんは呟いた



……そっか、てっちゃんん家のおじさん、おばさん いなくなっちゃうんだ




私がお皿のカレーをスプーンですくいながら そんな事を考えていると




「オレは夢の一人暮らしだぜ」



に~~んって白い歯むき出しで笑った




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