空
「にぃに~」
伊音くんはガラス張りの店の外を指差して
「いきたい」
店の外は滑り台とベンチがある小さな遊び場になってる
「あ~、ちょっと待ってな伊音」
伊織くんは まだハンバーガーを食べ終えてなかった
「やぁだ、いま、はやく」
伊音くんが足をバタバタさせて駄々をこね始めたから
「お姉ちゃんと行こうか」
私の言葉に伊音くんは
パァァ………と
表情が明るくなる
「え、いいよ。空羽ちゃん…」
「いえ、私も暇だから伊音くんと遊ばせてください」
私は伊音くんの手を握り
「行こう」
そう声をかけると
「うん!」
伊音くんも笑顔で手を握り返してくれた