「にぃに~」



伊音くんはガラス張りの店の外を指差して



「いきたい」



店の外は滑り台とベンチがある小さな遊び場になってる



「あ~、ちょっと待ってな伊音」



伊織くんは まだハンバーガーを食べ終えてなかった



「やぁだ、いま、はやく」



伊音くんが足をバタバタさせて駄々をこね始めたから




「お姉ちゃんと行こうか」



私の言葉に伊音くんは


パァァ………と


表情が明るくなる



「え、いいよ。空羽ちゃん…」



「いえ、私も暇だから伊音くんと遊ばせてください」



私は伊音くんの手を握り



「行こう」



そう声をかけると



「うん!」



伊音くんも笑顔で手を握り返してくれた



< 55 / 394 >

この作品をシェア

pagetop