空
涙をこぼして
うつむく私の耳もとで
「私は風羽。
風羽は私。
私には出来ない事がたくさんある
だけどね………
風羽。
風羽が自由に楽しんでくれたら
私も楽しんだ気持ちになるよ
だから風羽
私の分まで自由に生きてね
私が出来ない事を
風羽が全部してね
そうしたら、私は幸せ」
空羽だ
空羽が いつも私に言った言葉
顔を上げて 辺りを見渡すけど
相変わらず 目の前には骨と灰
箸を持った喪服の親族
でも 空羽はいた
私に話しかけてくれた……