空
街灯が明るい夜の道
バイクが風をきって走って行く
てっちゃんはいい加減で
寝起きは機嫌も悪いし
便座下げないし
言葉使いも乱暴だけど
自分がバイト休みの日は
私を迎えに来てくれる
これで朝のイライラが
チャラになるんだから
私も簡単だよね………
「風羽!」
バイクを走らせながら
てっちゃんが言う
「腹減ったな!」
「え~?もう夜遅いよっ!」
「マック買って帰ろう!」
「はい、はい。わかったよっ」
家族以外の人と暮らす
初めてづくしの毎日
確かに
てっちゃんのいい加減さは
新しい風を
私の中に吹きこんでくれてる
てっちゃんといれば
怒ったり笑ったり忙しかった