空
「………はぁ」
深いため息をついて
ベッドから起き上がり
部屋を出てリビングに戻る
テレビはスポーツニュースから深夜のお笑い番組に変わってて
テーブルの前、あぐらをかいて座るてっちゃんが私を見上げて
「急いでケータイ出ちゃって、風羽お前 男出来たのかぁ?」
ニヤニヤ笑ってそう聞く
私はてっちゃんの隣に座って
「違います」
ふぃっと そっぽを向いた
ハンバーガーを全部平らげて未成年のクセにビールを飲んで
てっちゃんは 伏せ目がちに
小さな声で私に聞く
「……もう大丈夫なんだろ?」
……てっちゃんの聞きたい事はわかってたけど
「……何の話?」
私はそう聞き返す
グイッと缶ビールを飲んで
「……男だよ。まだ男が怖いのか?」
カン……
テーブルに空の缶を置いた