空
ドキドキして
金森先生の部屋に入った
1LDKの部屋
テレビとソファーとテーブルがあるだけの殺風景なリビング
一人暮らしの男の人の部屋にいる
中2の私には すごすぎるシチュエーションでくらくらした
「ほら髪ふいて………」
金森先生はバスタオルで私の髪を優しくふいてくれて
「座っててコーヒー淹れるよ………あ、島本さんコーヒー大丈夫?」
――コーヒー大丈夫?
その一言は私を子供扱いしてる
ううん 確かに私は子供だったから子供扱いで正しいのに
とても悔しく感じた
「コーヒー大丈夫です」
私はソファーに座ってそう答えた
本当はコーヒーなんて
嫌いだったのに