ナイショな王子と甘い恋
「始業式が終わったぐらいに熱で倒れたんだよ。今はもう大丈夫だと思うけどさ」


こんなに元気だと倒れたの疑うよ。

と、髪の毛を手でかきあげながら言ってくる。

チラッと上目遣いで。


そんな姿に一瞬ドキッとした。



「まぁ無茶すんな」


「ちゃんと先生らしいこと言うんですね」

こいつにも気遣いという言葉は存在するんだ。

なかったら保険医として最低だけど。


「あたり前」


さも当然というような声が返ってきた。

・・・・自信家め。


「じゃあ、帰りますね」


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