村崎指揮部(更新停止)
 
息を切らし理科室の前に着くと、カオリが廊下に立っていた…




…何故か両手にバケツを持って。


「起こしてって言ったじゃん!」

「ごめーん。何回も起こしたんだけどね、アコ物凄く機嫌悪かったから…」


それなら仕方ないか


「…ていうか何してんの?」

「これ?」

「それ意外に何があるのよ。何で立たされてるの?何かしたの?」

「それが……よくわからないの。」


何じゃそりゃ。

でも優等生のカオリが廊下にバケツ持って立たされるって、よっぽどのことをしたんだろうね。きっと


「とりあえず中に入ろ。先生は私が説得してあげるから。」

「う、うん……」




(ガラガラガラガラ)




理科室に入った途端、異様な空気を感じた私は室内を隈なく見渡した。


「何か暗くない?」

「……う、うん。」


心許ないカオリの返事。


不安になった私は教室の電気を付ける。

すると教卓の前には理科の後藤先生ではなく、見覚えのない男が白衣を着て立っていた。


「……誰?」


私は問い掛けた。

その声に応えるかと思いきや


「何だよ。このクラスは本当にブスばっかだな。」


男は言った。
 
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