村崎指揮部(更新停止)
「ブスって……マジで誰なのアンタ?」
「留学生。」
言われてみると色素の薄い髪や目の色をしている。
顔の造りもはっきりとしていて、どうやら間違いなさそうだ。
「何で他クラスのアンタが偉そうに白衣着てんのよ!」
「着てえから着てんの。」
「はい?…それにアンタは生徒でしょ?何さも教師みたいなことしてんのよ!」
「いちいちうるせえなあ…」
「それにカオリが何で廊下に立たされなきゃいけないのよ!あの子が悪いことしないのは親友の私が保障するわ!」
「ブスのクセにお喋りとは…いいとこなしだな。」
「何ですって…」
「あ、間違えた。ブス程よく喋る生き物はいないか。ハハハハハ」
キレた。完全にキレた
「アンタ何様なのよ!?だいたいみんなも何でコイツの授業を黙って傍観してるのよっ!おかしいと思わないの!」
私の問い掛けに誰一人反応せず、ただ無言に口をつむっている。
「……何があったの?ねえカオリ、みんなどうしちゃったの?」
先程まで口を聞いていたカオリすら表情を曇らせたまま口を閉ざす。
「…何したのよアンタ。」
「うるせえな。」
「言いなさいよッ!」
「あーもー面倒くせえなあ……」
そう言うと、男は更に命令を下した。
「ちょっと黙ってろ、マジで。」
その言葉はまるで魔法みたいに、私の口をも固く閉ざした。