村崎指揮部(更新停止)
 
「千津先生、」

「どうしたの?躊躇うことないのよ、誰も来ないように鍵を閉めておいたから。」

「そうじゃなくて!」


思わず声を荒げてしまった。


「…すいません、大声出して。」

「いいのよ。それより…座って。」


俺はベッドに腰掛けた。


「どうかしたの?」

「…………」

「汗、すごいわよ。」


何から説明すればいいのか、言葉を選ぶのに時間が掛かった。

滲み出す汗は千津先生の手が膝に置かれたことによる緊張からだろう。


「…先生、留学生をご存じですか。」

「留学生って村崎君のこと?」

「もう会いましたか?」

「いいえ、まだよ。今日来たばかりだし、チラッとは見たけど挨拶はしてないわ。」


やはりまだ何かしらのアクションは起こしてないようだ。

少なくとも、千津先生が無事で何より安心した。


「…ちょっと教室に来てもらえますか。」

「何で?」

「一緒に付いてきてください。」


口で言うより、現場を見せた方が明らかだと思った。
 
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