村崎指揮部(更新停止)
千津先生を連れて教室に向かう途中、ちょうど3限目の終業のチャイムが聞こえた。
「子門君?教室で何かあったの?」
「見れば分かると思います…」
きっと一目瞭然だろう。
説明不要な光景が、そこに…
(ガラガラガラガラ)
「そんなに俺の授業を受けたくなかったのか、子門。」
河合は、いつもの口調で言った。
「えっ………」
「ちょうど終わったところだ。お前今までドコほっつき歩いてたんだ?」
「……………」
クラスメイトのヒソヒソ声も聞こえた。
俺の方を見てクスクスと笑ったり…
…まるで全てが元通りみたいに…
「どういうことなの、子門君。」
千津先生の質問に返す言葉がなかった。
ここで真実を語ったところで、目の前にある現実を覆すことはできないだろう。
「…すいません。俺寝ぼけてたのかもしれないです。」
「寝ぼけてた?」
「すいません。」
「ハハハハ、今日の子門君は何かおかしいわね。ホントに保健室で休んでく?」
「…いえ、大丈夫です。」
大丈夫ではないのかもしれない。
そんな錯覚に陥る程…
教室はいつも通りの平静を取り戻していた。