あの頃へのラブレター
十一通目…卒業アルバム
今朝、久し振りにあなたを見ました。
わたしの二段上で微笑むあなたを。
中学三年の時に、あなたと同じクラスになりました。
勉強が特別出来る優等生ではなく、かといって、不良っぽいといった訳ではないあなたは、他の男子とは少し違う存在感を持っていました。
わたしには、それが大人びた雰囲気に感じられました。
あなたに興味を持ち始めた事を、自分では意識してませんでした。
恋とか、そういう事に、その頃のわたしは奥手でしたから。
男の子を好きになるという感覚が、判っていなかったわたしですから、それが初恋だと気付かなかったのです。
でも、あなたがビートルズの大ファンで、マラソンが速くて、国語と歴史が良く出来て、けれど、英語と数学が苦手だった事は知っていました。
難しい小説を読んでいた事も知ってました。
そして、あなたがクラスのある女の子を好きだった事も。
一番の思い出……
クラス対抗の百人一首大会。
国語の先生が、百人一首は高校の古文に役に立つからと、それで大会迄催したのですが、あなたとチームになれた時はすごく嬉しかったんですよ。
大会迄の練習を毎日放課後に教室でやってた時は、楽しくて楽しくて。
わたし達のチームが決勝へ勝ち上がり、最後の一枚をあなたが物凄い速さで取った時、みんなで手を取り合って喜びました。
その時、初めてあなたの手に触れました。
あなたは憶えてないでしょうね。
卒業後、みんなが高校進学する中、あなただけは就職の道を選びました。
特に目的も無く、親や教師達に決められたレールに、ただ乗るだけのわたしは、そんなあなたがすごく大人に見えました。
高校、大学と進んで行くうち、回りの友達は彼氏とか出来たりしてましたが、わたしはそういう事に縁がありませんでした。
その事で、仲の良かった女の子に、好きになった男の子はいなかったの?と聞かれ、突然、あなたの顔が浮かんだんです。
ちょっと、驚きました。
ひょっとして、自分で気付いてなかったのかな……
何年振りかで手にしたアルバム。
あなたの顔を見て、判りました。
わたし、あなたが好きでした。
そして、この手紙を書いてます。
わたしの二段上で微笑むあなたを。
中学三年の時に、あなたと同じクラスになりました。
勉強が特別出来る優等生ではなく、かといって、不良っぽいといった訳ではないあなたは、他の男子とは少し違う存在感を持っていました。
わたしには、それが大人びた雰囲気に感じられました。
あなたに興味を持ち始めた事を、自分では意識してませんでした。
恋とか、そういう事に、その頃のわたしは奥手でしたから。
男の子を好きになるという感覚が、判っていなかったわたしですから、それが初恋だと気付かなかったのです。
でも、あなたがビートルズの大ファンで、マラソンが速くて、国語と歴史が良く出来て、けれど、英語と数学が苦手だった事は知っていました。
難しい小説を読んでいた事も知ってました。
そして、あなたがクラスのある女の子を好きだった事も。
一番の思い出……
クラス対抗の百人一首大会。
国語の先生が、百人一首は高校の古文に役に立つからと、それで大会迄催したのですが、あなたとチームになれた時はすごく嬉しかったんですよ。
大会迄の練習を毎日放課後に教室でやってた時は、楽しくて楽しくて。
わたし達のチームが決勝へ勝ち上がり、最後の一枚をあなたが物凄い速さで取った時、みんなで手を取り合って喜びました。
その時、初めてあなたの手に触れました。
あなたは憶えてないでしょうね。
卒業後、みんなが高校進学する中、あなただけは就職の道を選びました。
特に目的も無く、親や教師達に決められたレールに、ただ乗るだけのわたしは、そんなあなたがすごく大人に見えました。
高校、大学と進んで行くうち、回りの友達は彼氏とか出来たりしてましたが、わたしはそういう事に縁がありませんでした。
その事で、仲の良かった女の子に、好きになった男の子はいなかったの?と聞かれ、突然、あなたの顔が浮かんだんです。
ちょっと、驚きました。
ひょっとして、自分で気付いてなかったのかな……
何年振りかで手にしたアルバム。
あなたの顔を見て、判りました。
わたし、あなたが好きでした。
そして、この手紙を書いてます。