あの頃へのラブレター
十五通目…添え手紙
どうしてこんな手紙を書こうと思ったのでしょう。
正直、わたしにもよくわかりません。
昔から気まぐれなやつとは言われてましたから、そのせいなのでしょう。
それとも、久し振りにあなたの手紙を読んだからでしょうか。
あなたの物は、全部棄てたと思ってました。
たくさん貰った手紙も燃やした筈でした。
それが、たった一通だけ残っていたんです。
懐かしい…素直にそう感じれて、久し振りにあなたの癖字を追い掛けました。
あなたと暮らした月日は、僅かなものでしたが、その後を振り返っても、あの時程の濃密な時間を過ごせてはいません。
あなたの事を一生懸命、忘れようとしました。
別れて暫くは、あなたから受けた心の傷が生々しくて、新しい恋にとても臆病になってました。
だから、わたしはあなたを恨みました。
あなたの嫌いだったところばかりを思い出そうとしました。
でも、浮かんで来る事は、その逆。
あなたがお酒を飲む時のグラスの持ち方。
タバコを吸う時に少し目を細める顔。
あなたの声。
あなたの匂い。
そして、一番好きだったのが、わたしの呼び方。
あなたは、わたしを名前で呼ばす、何時も、君と読んでくれました。
そう呼ばれるのが、わたしは何よりも嬉しかった。
ようやく、あなたの事を想い出というアルバムに納める事が出来て、幾つかの新しい出逢いを経験しました。
久し振りにあなたの文字を追い掛けていたら、そういった、いろいろな事がいっぺんに目の前に広がって来ました。
驚きました。
自分の中に、まだあなたが息づいていた事に。
今は、何処で何をされてますか?
素敵な人は見つかりましたか?
わたしは、来月結婚します。
優しい人ですよ。
あなたには、全然似ていません。
わたしを呼ぶ時は、名前で呼んでくれます。
わたしを君と呼ぶ人は、あなたで最後になりそうです。
さて、そろそろこの手紙をお終いにします。
宛先が判りませんから、残っていたあなたの手紙に添い遂げさせます。
ありがとうの言葉も添えて……
正直、わたしにもよくわかりません。
昔から気まぐれなやつとは言われてましたから、そのせいなのでしょう。
それとも、久し振りにあなたの手紙を読んだからでしょうか。
あなたの物は、全部棄てたと思ってました。
たくさん貰った手紙も燃やした筈でした。
それが、たった一通だけ残っていたんです。
懐かしい…素直にそう感じれて、久し振りにあなたの癖字を追い掛けました。
あなたと暮らした月日は、僅かなものでしたが、その後を振り返っても、あの時程の濃密な時間を過ごせてはいません。
あなたの事を一生懸命、忘れようとしました。
別れて暫くは、あなたから受けた心の傷が生々しくて、新しい恋にとても臆病になってました。
だから、わたしはあなたを恨みました。
あなたの嫌いだったところばかりを思い出そうとしました。
でも、浮かんで来る事は、その逆。
あなたがお酒を飲む時のグラスの持ち方。
タバコを吸う時に少し目を細める顔。
あなたの声。
あなたの匂い。
そして、一番好きだったのが、わたしの呼び方。
あなたは、わたしを名前で呼ばす、何時も、君と読んでくれました。
そう呼ばれるのが、わたしは何よりも嬉しかった。
ようやく、あなたの事を想い出というアルバムに納める事が出来て、幾つかの新しい出逢いを経験しました。
久し振りにあなたの文字を追い掛けていたら、そういった、いろいろな事がいっぺんに目の前に広がって来ました。
驚きました。
自分の中に、まだあなたが息づいていた事に。
今は、何処で何をされてますか?
素敵な人は見つかりましたか?
わたしは、来月結婚します。
優しい人ですよ。
あなたには、全然似ていません。
わたしを呼ぶ時は、名前で呼んでくれます。
わたしを君と呼ぶ人は、あなたで最後になりそうです。
さて、そろそろこの手紙をお終いにします。
宛先が判りませんから、残っていたあなたの手紙に添い遂げさせます。
ありがとうの言葉も添えて……