あの頃へのラブレター
六通目…二度目のプロポーズ
鈴子へ
お前を看取った日が、今年もやって来る。
暫くお前の所へ行ってないから心配してる事と思う。
実は、夏に倒れて以来、病院暮らしなんだ。
お前と同じ病だ。
まだ若いのにって?
それを言うなら鈴子、お前だってそうじゃないか。
今の私の倍も若かったくせに、勝手にあの世などに行ってしまいやがって。
寂しかったでしょうって?
そうでもなかったさ。
家事は大変だったけどな。
どういう風の吹きまわしなのかって?
この手紙の事か。
自分でも驚いてるよ。
筆不精で、暑中見舞いや年賀状ですらお前に書いて貰う位だったものな。
今は、もっと筆不精になったぞ。
携帯電話やパソコンでメールというやつを出せる時代になったから。
便利なもんだぞ。
だが、メールは墓場には持って行けない。
その点、手紙なら大丈夫だ。
それでこの手紙を書いている。
もうすぐ私も向こうの人間になる。
お前の最後を知っているから、余り苦しみたくない。
夜になり、ああ、このまま眠って楽にいけたら……
死ぬ事は怖くないが、苦しむのはな……
なあ鈴子、お前は本当に幸せだったか?
貧乏ばかりさせて、何一つ買ってやる事が出来なかった甲斐性無しの私と、一緒になって本当に幸せだったのか?
もしも、幸せだったと言ってくれるなら、もう一度、一緒になってくれないか。
あの頃より、かなり老けてしまったが、もし、それでも良ければ。
ずっと、隣にいてくれ。
いや、いさせてくれ。
お前がいやじゃなければ……
お前を看取った日が、今年もやって来る。
暫くお前の所へ行ってないから心配してる事と思う。
実は、夏に倒れて以来、病院暮らしなんだ。
お前と同じ病だ。
まだ若いのにって?
それを言うなら鈴子、お前だってそうじゃないか。
今の私の倍も若かったくせに、勝手にあの世などに行ってしまいやがって。
寂しかったでしょうって?
そうでもなかったさ。
家事は大変だったけどな。
どういう風の吹きまわしなのかって?
この手紙の事か。
自分でも驚いてるよ。
筆不精で、暑中見舞いや年賀状ですらお前に書いて貰う位だったものな。
今は、もっと筆不精になったぞ。
携帯電話やパソコンでメールというやつを出せる時代になったから。
便利なもんだぞ。
だが、メールは墓場には持って行けない。
その点、手紙なら大丈夫だ。
それでこの手紙を書いている。
もうすぐ私も向こうの人間になる。
お前の最後を知っているから、余り苦しみたくない。
夜になり、ああ、このまま眠って楽にいけたら……
死ぬ事は怖くないが、苦しむのはな……
なあ鈴子、お前は本当に幸せだったか?
貧乏ばかりさせて、何一つ買ってやる事が出来なかった甲斐性無しの私と、一緒になって本当に幸せだったのか?
もしも、幸せだったと言ってくれるなら、もう一度、一緒になってくれないか。
あの頃より、かなり老けてしまったが、もし、それでも良ければ。
ずっと、隣にいてくれ。
いや、いさせてくれ。
お前がいやじゃなければ……