Security Abyss 2
「一番簡単なのはハロホルム法によるものだ。強塩基のハロゲン剤をアセトンと反応させることでクロロホルムが合成できる。炭素-ヘテロ原子結合形成反応の中でも特によく使われるが、マクロスケールでは発熱に気をつける必要がある。急ぐなら氷浴させるが、そんな必要も無いだろう、分離の前に冷却管を通せるならそれがいいが、どうせ持ってないだろう、それに」
饒舌な男に戸部が乗っかる。
「いやいや全然わからないから、何の話なの」
「こんなもの作ったほうが簡単だ」
戸部の顔にもはや疑いの眼差しは無く、そして余裕も無くなっている。ただぎょろぎょろと目玉を動かしながら、時々うんうんと唸っている。
「……マジでやるの?」
「任せる。私の決めることではない」
戸部は振り切るように決心し、部屋の片づけを始めた。
饒舌な男に戸部が乗っかる。
「いやいや全然わからないから、何の話なの」
「こんなもの作ったほうが簡単だ」
戸部の顔にもはや疑いの眼差しは無く、そして余裕も無くなっている。ただぎょろぎょろと目玉を動かしながら、時々うんうんと唸っている。
「……マジでやるの?」
「任せる。私の決めることではない」
戸部は振り切るように決心し、部屋の片づけを始めた。