7年目の浮気
「しのはらさ・・、」

「加藤くん、知ってた?
真紀たちがどうしてこんな急に結婚することになったのか。」

「いや。」

「あの日ね、あの日、ふたり、したんだって。
それで、できちゃった婚になるのは嫌だから結婚しようって、西野くんが言ったんだって。」


加藤が笑いながら言った。


「すげぇな。今まで何もできなかったくせに。」

「すごいよね。」



沈黙。



「加藤くんも、その作戦使いたいって思う?」

「どうしたの?」

「・・・答えて。」



加藤は茉莉花を見つめて言った。


「・・・思わないよ。」
< 153 / 163 >

この作品をシェア

pagetop