7年目の浮気
「・・・どうして?」

「俺は篠原さんと結婚したいから、同じ作戦じゃダメだろ。」

「どういう意味?」

「・・・だって、篠原さんには付き合ってる奴いるだろ。」


茉莉花は無言で加藤を見つめた。


「今日だって、そいつと何かあったんだろ。
そうじゃなかったらそいつのとこへ行くもんな。」


「・・・・。」

「俺はさ、篠原さんに選ばれたいって思ってるよ。
馬鹿みたいかもしれないけど、無理やり連れて行きたくはないんだ。
だから、選んでくれるなら後悔させないけど、後悔するようなはじまりには、したくないんだ。」

「・・・ごめん、加藤くん。」

「・・・謝るってことは、やっぱり俺じゃダメってこと?」

「・・・わからない。でも、わたし今日、はっきり加藤くんを選ぶって決められてないのに、加藤くんに抱かれてもいいって、なるようになっていいって思って来た。」

「・・・うん。」

「わたし、加藤くんに甘えすぎてるね・・・。」

「別にいいよ。俺がいいんだからさ。」
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