7年目の浮気
もう芳雄の降りる駅まで来てしまった。


「とにかく、降りよう。」


芳雄は香織を引っ張った。


「久保田さん。」

「何?」

「久保田さん家、行きたい。」

「無理に決まってるだろ!」

「なんで。」

「あのさ、一人暮らしの男の家だよ?」


もう涙は乾いてる。

嘘泣きだとしたらたいしたもんだ。


「わたし、いいですよ。久保田さんがしたかったら。」

「だから、いつ俺が君としたいって言ったんだよ!」

「…したくないですか?」


香織が密着してくる。
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