A way-You that I am dear.
ちょっとたわいもない話をして
類が私に聞く。

『どーしたの?塾は?』
『今日はない。テレビ見てた』
『いや、そーゆう報告じゃなくて(笑』
『はい、すいません』

『なんかあったの?』

私は引出しから手紙を出しながら言った。

『あ~…あのね、手紙まだ捨ててないの。今、持ってるの』
『はぁ?だから恥ずかしいから捨ててって』
『そうじゃなくてね、昨日言ったことも本音なんだけど、だけど…。』
『何?』

そう聞かれて
受話器をギュっと握りしめて
私は小さな声で言った。

『……みはも、好きです。だから……』

それだけ言って黙ると
類から話はじめた。

『俺たち学校違うじゃん?校舎も違うじゃん?』
『うん…』

『だし、受験生じゃん。日曜も勉強で会えないよね。』
『うん…』

『受験生忙しいし、辛いよね~。でも、みはがいれば俺は頑張れますッ。みはチャンはどうよ?』

そう言った類は私の答えを待った。

『みはも、同じです…』


『うっし。じゃーあー。付き合おっか』

類は明るく言った。
それとは対照的に
私はまたまた小さい声で言った。


『よろしくお願いします…』


『ついでに、茄子って呼ぶのやめてね~♪ダーリンって呼んでくれていいよッ』
『絶対呼ばないけど。』

類はきっと電話の向こうで笑顔だったのだろう。
とても明るい声だった。


『ねぇねぇ みはチャン。俺が昨日あっさり引いたから気になっちゃったんでしょ~』

『は?……なんかむかつく。その発言。…だけどその通りです。おかげで理科と数学落としました』
『そんな心構えじゃ高校受からないよ~(笑』
『いいのっ!期末で取り戻すもんっっ』
『はいはい。頑張りましょーね』



お母さんには
5分で済むって言ったのに
結局1時間たったころ
後ろからひっぱたかれて
慌てて電話を切った。

類は最後に
電話の日決めようと持ちかけてきて
お互い授業のない
土曜の夜が電話の日になった。





今日から類の彼女のみは。


目の前のぬいぐるみのゴリラに報告して
友達にテンション高めの電話をして
気分はとっても良かった。
< 29 / 67 >

この作品をシェア

pagetop