A way-You that I am dear.
声の主は類だった。



私は何も答えずに席を立つ。
すると類は

『待って!』

と言って私の手をつかんだ。



私は何も言わずに必死に振り切ろうとするけど
類の力にかなわなかった。



つかまれた腕が痛くて
でも私は何も言わずに
ずっと黙っていた。



『みは、変わったね』



そう言われても何も答えない私。



『彼氏と一緒?・・・楽しんでるみたいで、よかったよ』



私は下を向いたまま動かない。

すると類が
『あの時・・・・』と言って止まった。



私は謝られるのも
言い訳されるもの嫌だったから
パっと顔をあげて

『人違いじゃない?痛いから離してください』

と彼を睨みつけて言った。



類はしばらく私を見つめて

『ごめん・・』と言って手を離した。




類の手が離れた瞬間
私は場内に向かって
小走りで戻った。


< 61 / 67 >

この作品をシェア

pagetop