加納欄の合コン シリーズ10
店長が、カウンターに、歩いて行こうとした。

あたしは、店長の左足にしがみついた。

「放せっ!」

「ダメッ!殺しちゃ、ダメ!」

「うるせぇよ!」

「店長さんに……あなたを……慕って、働いてる、人達、でしょ?……ダメ……だよ……ッッッ」

そう言うと、店長は、歩くのをやめ、あたしに、拳銃をむけた。

「なら、お前が死ねよ」

「……従業員と、客を……全員、解放して、くれるなら……いいわよ」

「は?何言ってんだよ」

「殺し、たいんでしょ?取引……よ……」

意識を保つのが、いっぱいになってきた。

「お前、馬鹿?殺すわけねぇじゃん。まだ、仕事途中だし。アイツら起こさねぇとな」


なんだ。


殺す気ないんじゃん。


早く、言ってよ。


こんな、痛い思いしなくて、すんだのに。


あたしは、呼吸を整えた。

ゆっくり、立ち上がった。

「へぇ。まだ、頑張んの?可愛い顔が、すごいことになるよ」

「もぉ、いい。痛いし……アイツらに起きられても、めんどくさいし……」

「んだと?拳銃持ってるんだぞ!」

言った瞬間に、あたしは、店長の手首に蹴りを入れ、拳銃を叩き落とした。

「だから?」

ポーカーフェイスを気取ってるけど、立ってるので、精一杯だった。

「この野郎」

店長は、あたしに向かって来た。

そのまま突き返そうと身構えていたら、店長が突然滑りこみをして来て、あたしの足を挟み、ひねった。

あたしは、突然の店長の行動に対処出来なく、床に倒れた。

店長は、あたしにまた馬乗りになり、あたしを、殴った。

「さっきの威勢は、どおしたんだよ」

「う……ん……」

「なんだよ。もう終わりかよ」

あたしは、背中に隠した拳銃が見つからないように、隠すので精一杯だった。

拳銃2丁である。

変な体制をとったら、1発でバレないとも限らない。

突然、店長が、あたしの首をしめてきた。

「アウッ」

あたしは、店長の腕をとり、首から外そうとするけど、外すことが出来なかった。

「ッッック……クルシ……」

店長が、苦しがってるあたしの表情を見た。


< 13 / 21 >

この作品をシェア

pagetop