加納欄の合コン シリーズ10
「年齢か?」

「はぁ?」

「まぁ、確かに離れてるよなぁ。しかも、あいつ童顔だから、かなり低く見られがちだしな。さっきの、合コンの男も、かなり若く考えてたみたいだぜ」

「なんだよ、それ」

「最近、童顔の巨乳は受けがいいらしいぞ」

大山先輩が、高遠先輩の胸ぐらを掴んだ。

「おいっ!いつ見たんだよ!」

「ムキになるなよ。一般論だよ。だれも、欄のって、言ってないだろ」

大山先輩が、手をはなした。

高遠先輩は、胸元を直した。

「わりぃ」

「年齢じゃ、ないとすると……アイツか?」

「……なんだよ」

「中国に帰ったんじゃなかったのか?」

「……いや、まだいるらしい」

「気をつけないと、また欄を」

「あぁ」

「あいつもなんだって、毎回毎回、面だすんだよ」

「あいつは……あいつも、欄を愛してるんだ」

「…………まぁ、そうじゃなきゃ、ここまでしつこく、刑事になってる欄に会いに来ないか……欄の奴、毎回あいつが来るたびに、犯されそうになってるだろ」

「あぁ、気付いてる」

「武術を教えてもらった師範だって、言ってたよな。欄も、中国にいた頃は、感情あったのかな」

「ないさっ!あいつは!無理矢理欄をっ」

大山先輩が、突然声をあらげた。

「仁!どうしたんだ?!」

「あ、いや。何でもない」

「おい、まさか、あいつ、欄を……」

「言うな!タカ、絶対言うなよ。欄は、その時の思い出が、いまだに癒えてないんだ」

「お前、なんで、知って……」

「あいつに、聞かされたのさ。知りたくもない事を、あのバカッ丁寧なしゃべりで!だから、オレは、守ると決めたんだ。その時はもぉ、オレの心は、欄を愛しいと思ってたから」

「こいつに言ってやれば?涙流して喜ぶぜ」

「言うかよ。みっともないだろ。欄の一喜一憂の表情に、こっちがドキドキしてるんだぜ。ポーカーフェイス気取るのも大変なのに」

「お前、可愛いな」

「バッ!ふざけんな!お前、欄の表情ちゃんと見てみろよ。マジヤバイから」

「……のろけんなよ。ま、確かに欄は可愛いけど、俺は趣味が違うから」

「そう言えば、お前は、最近どおなんだよ。オレにばっかり話させて」


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