加納欄の合コン シリーズ10
「あ、そうだ。あたし達、OLってことになってるから。口すべらせないでよ」

「な、なんでOL?」

「わかるでしょ?警察官なんて言ってみなさいよ。1発で、誰もいなくなるわよ」

「…………」

「わかった?」

「はぁい」


ちゃんと話して、理解してもらった方が、いいんじゃないかと……。


1人で考えていたら、大山先輩が、戻ってきた。

「猫かぶっても、すぐバレると思うけど、ま、頑張ってみたら?」

「もちろん。幸田さんと祥子先輩が一緒なんですよ。あの2人のお手本があれば、楽勝でしょ」

「葉菜ちゃんも、行くの?」

「ハイ。”行くの?”っていうか、幸田さんが、乗り気みたいですよ。社外恋愛がしたいんですって」

「なんだよぉ。恋愛したいならオレに言えばいいのにぃ」

「ダメですっ!!!」

あたしは、慌てた。

「…………」

「…………」

一瞬の間があった。

「あ、だって、社内恋愛は、イヤだって……」

大山先輩は、必至のあたしを見て、フッと笑い、オデコを軽くつついた。

「楽しんでこいよ」

大山先輩を見たら、優しい表情の大山先輩がいた。


ズルイよ(__)


行きたくないのに……。


余計、行きたくなくなっちゃうじゃん(__)


「センパイ……」

「何深刻な面してんだよ。たかが、飲み会だろ?最近、仕事忙しくて、羽伸ばしてないだろ?気分転換に遊んでこいよ」

「…………ハイ」


センパイ。


気分転換は、相手にもよるんですよ?


行かないわけにはいかなかった。

ドタキャンなんかしたら祥子先輩のお怒りが。


そんな、怖いことは、出来なかった。


まぁ大山先輩が言ってくれたように、飲んでこよ。


確かに、最近、飲みにも行ってなかったし。



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