加納欄の合コン シリーズ10
ス、ストレスたまる(__)


大山先輩、楽しく過ごせないかもしれません。


早く終わんないかなぁ。


5分ほど時間を潰して、戻って来た。

「大丈夫?」

楽しそうに話していた新美さんが、あたしに気付いて声をかけてくれた。

「すみません。大丈夫です」

あたしは、ストンとソファーに座った。

「もしかして、お酒弱い?」

「あ、ビールは苦手、かな?」

戻ってきたら、あたし以外の座る席が変わっていた。

「飲み物変える?」

「大丈夫です」

その時だった。

突然、バーン!と音がして、ガラスの割れる音と、人の叫び声が聞こえた。

「なに!?」

音のした方へ、皆がいっせいに振り向いた。

また、バーン!と、音がした。

銃声の音だった。

「静かにしろっ!動くな!」

黒ずくめが3人、突然入って来た。

1人は、銃を持っている。

もう1人は、袋を持っていた。

「お楽しみのところ悪いが、皆さん、床に伏せてもらおうかな。おいっ!少しでも変な動きしてみろ!手当たり次第に殺すからな!!」

あたしは、ゆっくり黒ずくめを見た。

身長、体格からして、男性。

1人は、右利き。

今は、3人しか見えないけど、まだ、どこかに共犯がいるかも。

「祥子先輩、銃は?」

あたしは、小声で祥子先輩に聞いた。

「持ってるわけないじゃない。欄ちゃんは?」

「残念ながら、署にちゃんと、置いてありますよ。参りましたね、拳銃も正確な数がわからないし、犯人も本当に3人なんだか」

「強盗?」

「だと、思うんですけど。私、ふっかけてみます?」

「そうねぇ。幸田、幸田っ」

祥子先輩は、幸田さんを呼んだ。

「何よぉ。私、交通課よ!あんた達の分野でしょ?!」

「ちょっと!協力しなさいよ!」

「だ、大丈夫だよ。俺達が、ま、守るから」

新美さん達が、顔を青くしながら声をかけてきた。

「あ、ありがとう。私、怖い」

幸田さんは、ひ弱そうに、松本さんにさりげなく近づいた。


参ったな。


「祥子先輩、強盗にしては、作業がゆっくりじゃありません?」


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