加納欄の合コン シリーズ10
「そうね。別に目的があるのかもね」

「だとしても、この人数はよくないですよ、人質が多すぎます」

「わかってるけど、手が出せないわよ」

「祥子先輩、1人任せても……いえ、いいです。私が、引き受けます」

大山先輩や、高遠先輩が、いつもすすんで、祥子先輩を危険な目に合わせないようにしていたことを、思い出した。

それが、何故だかはわからない。

でも、先輩達がそうしているのであれば、それに従うまでである。

どう考えても、あたしのほうが、動けるだろうし。

「この状況で、できるの?」

「かなり、不利ですけどね。なんとかするつもりですけど」

「2人とも大丈夫かい?大人しくしてれば、助かるからね。もっとこっちへ来て、あいつらに見えないようにするんだ」

八代さんと、新美さんが、あたしと、祥子先輩の手を取った。

手を握りしめられて、あたしは、思惑振りほどいてしまった。

「大丈夫だ。怖くないから。一緒にいてあげるから」

新美さんは、そう言って、あたしを、引き寄せようとした。

「おい、何勝手に動いてんだよ」

犯人の1人が、こちらに向かって来た。

「動くなって言ってんだろぅがっ!わかんねぇのか?おいっ!」

あたしは、髪の毛を捕まれ、犯人の顔を近くで見ることが出来た。

犯人は、目だし帽をかぶっていたため、目しか、わからなかった。

犯人は、あたしの顔を見ると。

「こっちへ来い」

と、他の仲間のところへ、連れて行った。

「欄!」

祥子先輩が、思惑叫んだ。


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