加納欄の合コン シリーズ10
あたしは、祥子先輩に、無言で、大丈夫、と、合図を送った。

祥子先輩は、軽く頷いた。

「そ、その子を!ど、どうするんだ」

新美さんが、連れ去られようとするあたしを見て、犯人に言った。

犯人は、無言で、拳銃を新美さん達にむけた。

これで、拳銃が確実に2丁あることが、わかった。

「やめてっ」

あたしは、犯人にお願いした。

ついでに、新美さんにも。


お願いだから、何にも口を出さないで!


「大人しくしねぇと、女の命がねぇぞ」

犯人は、銃口をあたしに向けた。

祥子先輩が、新美さんの袖を掴んで、動きを止めた。

あたしは、仲間の犯人のところへ連れていかれた。


とりあえずは、手はず通り。


「なんだよ、そいつ」

1人が話してきた。

「あん?逃げる時の人質。必要だろ?」

「まぁな」


逃げる?


逃げるつもりがあるのに、なんでこんなに時間をかけるの?


目的は、お金じゃ、ない……?


やっぱり、見回しても、犯人は3人。


1人1丁ずつ拳銃を持ってる可能性がある……。


だったら、1人ずつ片付ける?


ピアスの発信器は作動させたけど、これ以上犯人が増えても困るし、これだけの人質に被害があっても……。


うかつに動くのもアブナイか(-.-)

カウンター内は、従業員が、縛られていた。

店に来ていた客も、祥子先輩が、いる方へ一塊に移動させられていた。

「ちっ!まだ行けねぇのかよ」

「時間は、たっぷりあるさ。店は休業にしたし。警察の心配はねぇ。アイツの為にこの店にしたんだぜ」

「余計なことはいうな」

あたしは、聞こえないふりを続けながら、会話を聞いていた。


コリャ、マダイルナ……(-.-)


これから、来る感じ?


その前に、やっちゃいますか。


「あ、あの……」

あたしは、あたしを連れてきた犯人に話しかけた。

「黙ってろ」

銃口をあたしに向けた。

「トイレに……」

いっぺんに片付けるより、1人ずつ片付けることにした。

「ここでする?」


アホかっ。


殴りそうになった。


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