鈴姫
なんだか、奏真がわからなくなってきた……。
「なに悩んでんの?だから言ったでしょ?奏真くんが精神的に逆らえないような奴なのアンタは。例えてみるならダメだとわかっていても捨て犬を拾って帰りたくなる衝動と同じよ」
「わかる!なんかそれわかる!一回やった!」
「やったの!?ホントどうしようもないバカだわ……救いようもない……」
鈴姫は呆れている。
でも、なんだか嬉しい。
だってあんなに避けられてたのに、今こうして話してる。
鈴姫と、話せてる。
「まぁ、たぶんアンタ自体が捨てられた子犬のようなものなの。だから逆らえないし、救いたくなるし、話せばバカで面白いし飽きない」
……え?