鈴姫
縮む距離
鈴姫と初めて話した日から1ヶ月が経った。
俺は邪険にはされなくなり、ちょっぴり進歩した。
「紲、紲」
扉から教室に向かっておいでおいでのポーズで俺を呼ぶ鈴姫。
それに気付いて近付く俺。
「なんですか?」
「いや、あのさ、今日CDショップ行く予定ない?」
「……」
俺、そんな頻繁にCDショップ行く人じゃないですよ?
「ない?」
「あります」
でも、これはわかりにくいお願い……言い換えればパシリだから。
「よかった~♪じゃ、この紙に書いてあるやつ買ってきてね。明日レシートと一緒に頂戴ね。ヨロシク」
……君たち、哀れな目を向けないでくれないかなぁ……。