鈴姫
「心配ない、どうせ誰もが一度は通る道だ。問題はその後だろ?」
「……誰もが一度は通る?」
「言っておく。今までのお前の恋愛における敗因は弟だ。弟以上にも以下にも見られない事だ」
「なに!?」
「クラスの仲いい女子に聞けば、ほぼ100%の確率で『弟』という単語が出てくるは
ずだ」
俺、弟!?
同い年なのに弟!?
「間違っても『兄』や『親』扱いにはならない。お前には『弟』『子供』『バカ』のイメージが定着してる」
「そうだったのか――ん?『バカ』?」
「だからこそお前は『男』に見せる必要がある」
「……バカ?バカ?俺またバカ言われた?」
「童顔であるせいもあるから、外見を変えるのは難しいとしても、中身のバカを変える事はできないこともないと信じる」
「……ねぇ、バカ?また言った?ねぇ奏真……」