鈴姫
「個性ってわかる?アンタの個性って一言でいうとバカなのよねぇ。でもそれって変えようがないの。生まれ持ったものってそう簡単に無くならないから」
「どうにもしようがないんですか……」
「みんな簡単に個性が変わっちゃったらつまらないじゃない。そういうのが合う人もいるし、合わない人もいる。言っちゃえば、アンタそのままでも十分いいってこと」
「……へ?」
……このままでいいの?
「鈴……陽乃芽先輩、俺がこのままでもいいんですか?」
「いいじゃない、大体変わるなんて不可能に近いでしょ?」
……アレ?
じゃ、俺、紳士になる必要なくない?
「でも俺、大人にならなきゃで、甘えちゃいけなくて……」
「甘えたっていいじゃない、無理に背伸びする方がよっぽど子供みたい」