鈴姫

――２

あの瞬間から、どうも俺の様子がおかしい。

なんだか第三者目線からお送りしているように感じるが、実は本人な紲くんだったりする。


具体的に何がおかしいかっていうとな、鈴姫を避けてしまってる気がする。

いや、俺の意思では近寄りたくてうずうずしてるくらいなんだ。

でも……目が合いそうになると自然と……え、俺鈴姫の事まさか嫌いになった？

いや、でも嫌いになったら会いたくて近寄りたくてうずうずなんて思わないだろう？


しかもあの時の鈴姫の顔が頭から離れず、何をしてても集中できない。

いつの間にか鈴姫の事を考えて、固まっていたりする。

気付けば動機も……ため息だって……。


……自分が、よくわからない。


そしてこうなったら、やっぱり迷わずに大好き奏真くんだろ？